屋根の向きと同様に、発電量を左右するのが日陰です。

たとえば、晴天時の発電量を100とした場合、曇天時の発電量は20〜30(約1/3)、雨天時の発電量は1〜10(約1/10)程度になると言われています。

太陽光発電パネルにできた日陰は、たとえ空が晴天であっても曇天や雨天と同じ状態をつくってしまうもので、なおかつ家屋の立地条件が変わらなければ、永続的に存在するものですから、年間発電量に対しても大きなマイナスになります。

家の屋根に日陰をつくる代表的なものとして、隣家、裏山、電柱、電線、高い木、テレビアンテナなどが考えられます。このうち、電線やテレビアンテナなどの影響はさしたるものではないと考えられますが、隣家や裏山のように大きな面積の日陰を作るものに関しては大問題と言えます。

地球の自転によって、太陽は常にその“見かけの”位置を変えていますし、地球は太陽を中心にぐるぐると回っている(公転)ため、季節による日の照り方も異なってきます。

よって、一日の時間や季節に関係して、日陰の位置も日陰になる時間も常に変化します。

屋根に影ができてしまう時間が多い場合は設置に工夫が必要

たとえば、屋根の東面と南面を比較した時に、南面には午前中大きな陰ができてしまうといったような特殊な状況が起こった場合、一日の日照量が東面の方が多いのであれば、敢えて南面に設置せず、東面に設置するといったように、大きく長時間日陰になるような場所には太陽光発電パネルをあえておかないようにすることが考えられます。
※上記の様な例は本当にまれですが。

また、一時的に日陰になるとしても、一日トータルで考えた時に、それ以外の時間で必要な量の発電が十分にできると思えば、そのままパネルを設置することもあります。

どのような条件が最も有利になるかは実際にそのお宅を拝見してシュミレートしてみなければわかりません。

シリコン系にとって日陰は大敵

シリコン系の太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール自体が発電媒体であると同時に、電力の伝達媒体でもあります。

つまり、作られた電気は太陽電池モジュール自体の中を移動するということです。

しかし、その一部が日陰になって発電しなくなると、電流の伝達をも阻害してしまうのです。なぜなら、発電していないパネルは単なる抵抗物質であって、せっかく作られた電流の移動を妨害し、そこで電力を消費してしまうからです。

そのため、多くのシリコン系太陽電池モジュールにおいては、一部が日陰になってしまったときのために、“バイパスダイオード”を備えています。“バイパスダイオード”は日陰や不具合が生じて、太陽電池モジュールの中に電流の通りを邪魔する部分ができたときに、その部分を迂回して電力を流すための仕組みです。

説明だけ聞くと、非常に優秀な仕組みなのですが、実は、作られた電流はこのバイパスを通ることで異常がない太陽電池モジュールも迂回してしまいます。

異常がない太陽電池モジュールを迂回するということは、すなわち、パネルの発電量を大きく落としてしまうということになります。

これに対して、後ほど詳しく紹介しますが、CISなど化合物系の太陽電池の仕組みは、シリコン系太陽電池の仕組みと異なるために、日陰などによってパネルの一部に異常が起きたとしても、電気の流れを疎外しないことがわかっています。日陰が多く発生する屋根の場合には、その特性にあわせたパネルを選ぶことも必要になってくるかもしれません。

いずれにせよ、天候や屋根の向きと同様に、屋根につくられる日陰も、太陽光発電システムの発電力を左右するのです。

その影響力を過大に考える必要はありませんが、決して軽視できない問題でもあります。太陽光発電システムを設置しようとする家屋一つ一つは、日陰や風の影響といった異なった問題を抱えています。

逆に言えば、問題を抱えていない家屋の方が珍しいのです。ですから、太陽光発電システムを設置する前にそういったことを含めて、しっかりとシュミレーションしたいものです。

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